医学部を志望している受験生に知っておいてほしいこと

現在、ぼくは地方国立大学の医学部医学科の2年生だ。

正確に言うと、一年生のときに単位を落とし、留年してしまったので、大学生3年目の医学部2年生である。

ぼくが医学部を志したのは、高校3年生の9月になってからだ。

ほかの医学部志望者が小学生くらいのころから将来の夢が医師であるなどと言っているのに対して、ぼくが医師になりたいと思った時期はかなり遅かった。

無事に合格したものの、入学後の日々は想像していた以上にハードなものだった。

今回は、僕が実際に医学部に入って感じた、医学部志望者に受験する前に知っておきたかったこと、知っていた方がいいと思うことを紹介したいと思う。

  

入学前より入学後の方が大変である

大学受験を控えた受験生は、受験後の未来についてしっかりと考えることができない。

僕がそうだった。

とりあえず合格して、合格した後のことはそれから考えようとか思っていた。

医学部での勉強がまさかこんなに大変だとは夢にも思っていなかった。

大変だとは聞いていたが、大丈夫やろ!と楽観視していた。

実際は、生半可な努力では卒業までたどり着けないような厳しいものだった。

ほとんどの受験生は、受験に合格すれば華の大学生活が待っていると考える。

もちろん、大学生になれば高校生とは比べ物にならないくらい自由がある。

特に一年生のあいだは、専門科目が無いもしくは少ないため、医学部の学生であってもかなり自由な時間が多く、思い描いているような大学生活を送ることができるかもしれない。

問題は2年生以降である。ほかの学部の学生がキャンパスライフを謳歌するなか、医学の勉強に追われる。

医学部の勉強は、受験とは比べ物にならないくらい大変である。

そして、ひとつでも単位を落とせば、留年することになりもう一度同じ学年を繰り返すこととなる。

受験は先生が親切に教えてくれて、3年間をかけて少ない量の内容を習得する。

それに対して医学部の教授の授業は、非常に不親切である。教授の主な仕事は、学生に授業することではなく、研究や臨床の現場で活躍することである。

そのため、授業は高校までの先生のように分かりやすいものではなく、ほとんどの学生は何を言っているか分からない状態になる。

そして試験範囲は膨大である。医学部の教科書は、信じられないくらい分厚い。

そこらへんにある国語辞典より厚いような教科書1冊が試験範囲であるようなことも多い。さらに、教科書を読んでもよく分からず、友達に聞いても分からないようなことも多い。そもそも医学が発展したとはいえ、まだまだ分かっていないことも多く、自分の疑問に思っていることはまだ解明されていないようなことも多い。

医学の教科書には、これはこうなるのは分かっているのだけど理由は分かってないよ。みたいな記述は多く、その場合はただただ暗記するしかない。理由を考えたところで、研究者が日々、研究を重ねているようなことを医学生ごときが分かるはずがないのである。

医者になりたいのだから、医学の勉強は苦にならないと思っているひともいるかもしれない。しかし、高校生までの授業で医学を学ぶことはなく、自分が医学に興味があるかどうかなんてわかるはずがない。

例えば、体の骨と筋肉の名前をすべて日本語と英語またはラテン語で覚える試験があるが、ただの暗記であり、楽しいはずがない。

 

大学によって進級の難易度に違いがある

医学部志望の受験生にとって、最も大切なことは志望校に合格することである。

医学部は大学間の差が無いと言われ、臨床医になるならどこの大学でも関係ないというのが定説である。

もちろんそれは間違いではない。受験科目やセンター試験の比率、面接の得点の有無、小論文等の有無など、大学によって入試に特色があり、自分にあった入試方法の大学を志望することが合格への近道である。

しかし、合格後のことも考えてほしい。

それは、大学によって進級の難易度が異なるということである。

医学部では、実習ができる人数が決まっており、一度、多くの留年生がでてしまうとその次の学年でも一定数の留年生を出す必要がでてきてしまう。そして、毎年たくさんの留年生が発生する。

もちろん医学部は将来ひとの命を預かる仕事なので、不十分な知識で進級することは許されないが、十分な知識があっても相対的に評価され、単位を得られない可能性がでてくる。

受験生は合格すれば何でもいいという思考に陥りがちであるが、受験が終わっても人生は続くわけで、大学入学後のことについても考える必要がある。

留年生が多く進級が厳しい大学とそうではない大学とでは、日々の生活に違いが出てくるのは間違いない。ただでさえ6年間行く必要があるのに、留年すると7年間大学に通うことになる。また、一度留年すると周りに友人が減るため、情報不足に陥り、また留年することが多いようである。留年は留年を呼ぶのだ。

 

まとめ

長々と書いたが、ぼくが言いたいことはただひとつである。

それは、大学入学後のことについて甘く考えるなということである。

高校の同級生がSNSで楽しいキャンパスライフを送っている画像を見ながら、夜遅くまで図書館に籠って勉強する日々である。本試験で不合格になると、次は再試験でミスすれば留年というプレッシャーの中で勉強しなければならない。

医師は素晴らしい職業だと思うが、医学部では大変な勉強が待っていることも考慮して、もう一度自分が医師になりたいのかを自問自答し、大学入学後のことまで考えて、志望校を決め、合格に向けて努力してほしい。

最後になるが、先日読んで非常に考えさせられた2冊の本を紹介するので、ぜひ手に取ってみてほしい。